もうだいぶ中身忘れているので1巻から3冊くらいずつ借りて読んでいます。確か、前はリドルの出る巻まで読んでいたはず…。
やっぱ薬屋は楽しいですね〜。すばらしきキャラ小説。
相変わらず二次妄想脳は備わっていないらしく、BL萌えはしていません。これがカプだという理解は可能ですけどね。パロディにはとことん向いていないらしい。
以下、単なる自分用メモ(タイトルかけ離れすぎててどれがどんな内容かわからなくなるので…)と感想。
※大きいネタバレは反転してありますが、小ネタはそのままです。ご注意下さい
■銀の檻を溶かして
もう手元にないのでどんな話だったのかが思い出せない…。仕方なく検索へ。
ある雪の日の朝、学校の校庭に巨大な雪の妖精が出現。その数日後、溶けた雪の中から少年の遺体が発見された…という話。
そういえば依頼人は悪魔と契約した中年オヤジ市橋と、少年の母親小海由里子だったか。総和もここで初出。
読了後はなーんか釈然としなかったなぁ。
■黄色い目をした猫の幸せ
椚良太から佐倉康の殺人依頼をされ、秋に警察の嫌疑が掛けられる。さらに秋は佐倉康のバラバラ死体第一発見現場にもいた。高遠・御刑事らが初登場。
良太の叔母・椚空音は座木に惚れかけ、リベザルは良太という同年代初の友人を得ようとしていたお話。
■悪魔と詐欺師
この話でシャドウの正体が薬屋側に漏れるんだったか?
高遠三次が関わるホテルでの毒殺・総和の先輩の自殺・ヘラが関わる病院院長死亡後の患者の異変・15年前と同様の女性殺人事件で犯人を見抜いたリベザルという4つの話に加えて、最後にすべての謎を解く解決編。なぜか秋は由高と同居しており、シャドウからもたらされたすべてはつながっているという情報で高遠・葉山・座木・リベザルが解明を進めるというお話。
相変わらずというか通常より難解でラストを読み取るのにちょっとばかり時間を要しましたよ…。最終章で納得はしましたが、前4つがあまりにバタバタしすぎててて同列に考えられず…。
カーテンコールを理解できなければなんだこりゃという感想になること間違いなし。理解さえできれば深いんですけどね…。ちょっとばかり独り善がりかなー。ある意味とってもミステリーらしい話でしたよ。
メインは座木サイドが暴いた真相ではなく、秋サイドですね。
以下ネタバレ。
零一が契約したのは由高。契約内容は違法手術関係者の殺人と李和への礼。秋が同居していた由高は零一。零一の中に由高の人格を同居させていた。由高の依頼のためには秋の薬が必要不可欠だった。というお話でした。秋は零一ホント大好きですね。
■金糸雀が啼く夜
カイが秋を除いた二人にサファイアを盗めと依頼する話。そして、イェンリィの過去話。
座木はご婦人と一緒にサファイアお披露目のパーティに潜り込み、偶然にも高遠も葉山と共に同じパーティへ。そこで起きたのがシャンデリアによる変死事故?
ストレリッチアがステキすぎます。負けて喜ぶ座木とそれをつっこむカイが好きです。
■緑陰の雨 灼けた月
今回の依頼人は車谷エリカ。毎晩自宅で奇怪な目に遭うのでどうにかしてくれと。そこでリベザルと零一から薬屋に預けられた柚之助は、エリカと共に旅行に行く羽目に…という話。
三科台高校水泳部の栗東・美浦の出てくる巻。ミステリのメインはエリカではなくこちら。本来ならエリカはオマケのはずが…。
ラストに笑いました。秋の言うとおり、座木が鈍かったのか(笑)
そういえば、エリカの来訪時にリベザルが言っていた“バレたこと”とは何だったんだろう。てっきり「悪魔と詐欺師」での盗み聞きだと思っていたのですが、その時のエリカは大学生で今回は女子高生。ということは「悪魔と詐欺師」よりも時系列的に前の話? これまでに何か接点あったっけなぁ…。後から思い出して書いているため覚えていない…。
■白兎が歌った蜃気楼
総和の友人・虎鉄の実家である雪浜家で起こった連続殺人事件の話。また、裏では高遠と真鶴による連続放火事件の捜査。木鈴直也が初出。一族以外では雪浜家のメイドとして涼代硅が登場。
お兄ちゃんなリベザルがかわいかったですね〜。最後にひっくり返されて、またひっくり返されたお話でした。
■本当は知らない
ネット上から消えた8人の謎を追う車谷エリカと道長円。病院から失踪した11人を調査する座木とリベザル。4人の惨殺事件を捜査する高遠と葉山。3つの事件が絡み合い錯綜する中、秋は傍観を決め込むという話。
出版社によるあらすじが、珍しく内容を不足なく紹介していたので転載。
今回のエリカはもう大学生だったのか? 時系列としては「悪魔と詐欺師」の後ということで。
でも、どうも女子高生だった気が…。ただ単に「悪魔と詐欺師」での大学生という表記が誤り??
「悪魔と詐欺師」の時間的位置づけがどうしてもわかりません。
直也が変わらず秋の友人であったことが印象的なお話でした。それを示すリベとユノの会話が好きですね。
そして、最後を六地蔵で締めたのには、座木には申し訳ないけど笑ってしまいました。今まであれだけ心配させてきたのに(笑) ユノを使って風邪で具合が悪いのだと思いこませた所で秋の完全勝利でしたね。でも秋は一体いつからどこで何をしていたんだろう…。
■蒼い千鳥 花霞に泳ぐ
まだ秋が火冬と名乗っていた頃、座木の初めての高校生活の話。リドル初登場。
依頼人は、人間の遺体を隠したいと脅す少年と、正体不明のあやかしに家を貸せと脅された少女。あと、一応恋愛成就も?
やられました。これ前に1度読んでいるはずなのに、またしても人物入れ替えトリックに引っかかってしまった…。
今までで一番好きな巻になったかもしれません。
ラストのリドルの言葉を含めて、すべてが終わった後の爽快感はたまりません。
終盤に怒濤のように話が進みましたが、いつものように難解ではなく、すべて理解の範囲内であり、ただただうわーやられた…な気分になりました。ただ、人物入れ替えトリックが複雑すぎて何が起こっていたのかきちんと理解するのがやや骨でしたが。
一番やられたと思ったのは夕食廃棄事件の部分(笑) かなりツボ。
でも、今回ばかりは妖怪でないと話が成立しないですね…。人間の部分は正直オマケな感じで。なんとなくミステリーだけど妖怪だと言うことを理由にはしていないよ〜的なオーラを今まで感じていたので意外な気分。
今回、高校での座木の氏名はどうなっているのでしょうか? どうやら名字は座木のようですが…下の名は? ついでに戸籍上の名字は違うはずですし。不思議。
■双樹に赤 鴉の暗
悪戯好きの子鬼カブ・アルと同居する唐沢と、貴金属店泥棒自殺事件を調べる高遠の話。
「時は移ろい、事件は繰り返されようと、変わらぬ真実もある」裏表紙あらすじより。
ここからちゃんと読了後の感想。読み終わった後、???という感じでした。
結構いつものことではあるのですが、作者さんの独り善がりがいつもよりちょっときつかったかなぁ、と。
この方の人物入れ替えトリックは好きなのですが、今回のはわかりにくくてどうしようもない。
以下ネタバレ
裏表紙あらすじの末文が今回の事件のすべて?
結局、唐沢にまつわる部分のみが15年前ということなのでしょうか。
最初に掃除していた埃の積もったプレハブ小屋が、15年前に唐沢がアリスと出会った場所。
カブとアルは思いこみの強い人間に取り憑く妖怪であり、その人間をそそのかしては悪さをさせ、最後に最も大きな願いを叶えさせた後は、今までの契約の代償として命をもらう。
それは唐沢以前から続いていたことで、もちろんそれ以降も現在まで続いている。成見やゼンも、裏でカブとアルにそそのかされた人間の一人であり、途中で第三者に止められることのなかった成見は命を取られてしまった。
最後に出てきた老体になった唐沢は現在の唐沢(事件から15年後)。戦隊物の名前がゼンの時と同じくタオレンジャーであることや区画整理の時期などから、現在の話だと言うことを一応アピールしているのでしょうか。
秋が一存でプレハブ小屋をずっと残していたのも、以前関わった唐沢などの人間のためだったのでしょう。
ここまできてやっと全体を理解できました…。今回わかりにくすぎ。作者の意図通りとはいえ、唐沢=ゼンだと思っていましたからね。結局ゼンなんて端役だったし。意味があるのはわかりますが、終わってみるとあまりにちょい役すぎてなんのためにいたのやら。唐沢と混じっただけ余計に…。ゼンと成見なら、成見の方が存在感でかい。まあ、いつの時代も女社員は喧しいということか?
ただ一つ不思議なのが、秋と高遠が「大切なのは自分が己の正義を裏切らない事」というまったく同じ考えを示したこと。正直、これのせいで読了後に全体の理解がしにくくなりました…。
同じ考えを持っていたのが、15年前の秋と現在の高遠だと言い換えればまだわかりやすいか。
高遠は叔父に教わったことだと言うし、秋と高遠の叔父に接点か何かあったのか??
で、検索してみたらどうも高遠汐織さんがいらっしゃるような…。最新刊の「雪下に咲いた日輪と」読めばわかるっぽいですね。やっとすっきり。でも後続巻で種明かしするのはどうよ?(覚えていないだけで、今までの巻にもヒントはあったのかなぁ…?)
■蝉の羽
人間に寄生して宿主を殺す植物の化け物を退治してくれという依頼から、秋達が寂れた山村に出向く話。
「楽園は想像力の数だけ存在する」のだそうで。
これじゃ妖怪の事件じゃん…と思っていましたが、違いました。ちゃんとした人間による事件でした。
前触れないラストへの急転直下は多少反則気味かなぁとも思いますが。まるで後出しじゃんけんのような…。
ただ、確かに何かおかしいと感じさせる部分はそこそこにあり、真相を知るとその違和感は解消されます。
ちょっと悠奇だけは違和感が残ったままかなぁ。どことなくすっきりとしません。
今までとは物語の書き方がなんとなく変わったような印象を受けました。事件の真相自体は小難しくなく(むしろストレートで)、理解はしやすいです。ただ、なーんか反則気味な部分がちょっとオーバーというか…。
ぶっちゃけると、あまりおもしろかったと思える話ではありませんでした。妖怪部分を取っ払ってしまうと真相はあまりに安直で、さらに妖怪部分の設定が仰々しすぎることもあり、ミステリとして余計薄味に。
■ユルユルカ
高遠が病院内の血塗れ事件&病院患者の自殺事件の解明に関わる話と、秋が妖怪世界で百合を盗んだと嫌疑を掛けられる話。
後書きで作者さんが触れているように「薬屋が探偵をする妖怪の綺談」ではなく「薬屋が妖怪であるが故の綺談、探偵風味」でした。あらすじにもありますが、ミステリーではなくファンタジー小説。
今回は完全に妖怪の世界が舞台です。
小気味良い会話が豊富で、キャラ小説な部分はとてもおもしろかったのですが、全体が霞がかっていてはっきりしない部分も。
夏白と冬来は逆なのか真なのか。ていうか、第一部の高遠の推理を真っ向から否定する形になっていますが…。
読者の読解能力・想像力に委ねる部分が多すぎるのがこのシリーズの難点。
今回はさすがに難しい設定部分が多かったためか、いつもよりずいぶん秋が丁寧な説明をしていました。リベザルもびっくりしていましたが、なんか優しい秋は少し不気味(笑)
全体に流れる雰囲気は好きです。
■深山木薬点 説話集
たしか4年くらい前に全員サービスの形で申し込んだ本だった気が…。今思えば作者さんが個人サイト上で直接売っていたのだから同人誌?
届いてびっくり。ちゃんとした本でした。文庫サイズでかわいいカバーがかかっています。
そのころ、薬屋に大ハマりしているわけではありませんでしたが(既に刊行分を追いきれていなかった)、締め切りぎりぎりに見つけてラッキーな気分になり申し込んだ気が…。
今思えば大正解ですね〜。
当時はかなりとびとびに読んでいたので&緑陰までしか読んでいなかったので、どれが何のキャラか理解できなかったのですが(エリカとかハルとか来多川とか)、ちゃんとキャラを理解した上で読むとおもしろいです。
冒頭の「ジンクイエ」はリベザルとの遭遇編だったのですね〜。赤い毛玉に当時はまったく気付いていませんでした。でも、本編の一部を秋視点で追い直した話、とあるのですが、本編のどこなんだろう…。今までリベザルとの遭遇シーンを見たことがないのですが。
もったいないので一日一冊または外出時の電車の中のみで読んでいたのですが、双樹に赤〜まで読んでこれを書いていたら、残りの2冊も読んでさっさと記事をアップしたくなってしまったため、今日一日で3冊が終わってしまいました。
なんかもったいない気分…。
残っているのは最新刊だけですね。やっと追いつくことができました。